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格闘技としては画期的にも、ダメージの概念を取り去ることにより、老若男女が無理せずに、ゲーム感覚から始められる点も武道としては意義深い。 なお各流派、会派によって多少の差異はあるが、特に防具についての違いが目立つ。同じ寸止めルールでも、拳サポーターやメンホーなどの使用を義務付けるところもあれば、素面・素手で行なうところもあるため、同じルールであるにもかかわらず、見た目の印象は防具ありと防具無しとでかなり変わってくる。 このルールの特徴は、ダメージ性ではなく、当てたもの勝ち(実際には触らないが)なので、踏み込みと技のスピードの速さを非常に要求される。しかし、空手の基本的な技を試合に使用しなければならず、雑な技ではポイントを取ることはできないため、基本技術の正確さも求められる。ただ手足が素早いだけでは勝ち抜くことはできない。 また、寸止めだからこそ実現できるのが、肘や手刀、投げから決め、などである。これらの技は、他のルールでは判定基準の難しさ、危険度の高さゆえに禁じられているが、寸止めルールにおいては、初めから当てないルールであるがゆえに使用することが可能となった。 総じて「伝統空手」とは、伝統派の名が示すように空手の伝統的な技術体系の伝承、保存を大事にするルールであるといえるだろう。
このルールの魅力は、手技による顔面攻撃を認めないがゆえに、多彩で華麗な蹴り技が発達したことである。それまで突きによるポイントの奪い合いが主だった空手の試合の中で、見た目にも非常に派手な組手が展開されることとなった。 また、直接打撃によるルールは派手なKOを生むこともしばしばあり、若い年齢層に爆発的な人気を呼んだ。観戦専門の空手ファンが生まれたのも、このフルコンタクトルールからである。 開始当初は邪道視されていたが、現在では極真会を中心に多くの流派がこのルールで大会を行い、空手の一ジャンルとして定着している。流派によっては、掴みや投げ技を認めたり、顔面攻撃を寸止めで認めたりするところもあり、様々なバリエーションのルールが生まれている。 また、スポーツルールとしての熟成度も高まっているため、全国大会レベルになると、プロスポーツ選手並みにウェイトトレーニングなどの専門的な稽古に励める環境にない選手は、上を目指すことができない厳しさもある。しかしその一方で、最近では少年、女子、壮年部などの大会も多く開かれ、ハードな面だけが取り上げられてきたフルコンタクトルールにも、新しい時代の流れが訪れている。
このルールを用いる錬武会は、寸止めルールの本家である全空連に所属しながらも、独自の路線で防具組手の普及に尽力してきた。 基本的には伝統空手の一派であるため、使う技術は寸止めルールで用いるテクニックとそう差はないが、寸止めルールに比べると実際に技を当て合うため、寸止めルールの問題面であった「攻防の判りにくさ」という点はかなり解消された。 また、打撃の威力が重視され、軽い打突ではポイントにはならない。しっかりした衝撃、打突音が要求されることとなる。この判定方針は剣道の判定に似ているが、連続攻撃は認めず、打突の効果を判定するために、攻防の度に選手を分けることとなる。基本的には打撃の威力を重視しているものの、防具で保護されていない部位の攻撃は、即反則となる。 いわゆる「防具付きルール」とは、錬武会や硬式空手を指すが、日本拳法も防具組手で試合を行なう。当てるごとにポイントを取っていく方式は共通しているが、離れては突き技重視の組手を行ない、接近してからは関節技や投げ技も認められているため、突き合いの攻防から間合いが詰まると、投げ決めの攻防となり、総合格闘技的な動きとなる。 防具付きルールに用いる防具は、いずれも安全に打突組手を行なうために開発されたものであるが、いずれも開発時期から相当年数が経っているため、今後の防具組手の普及、より安全な組手を目指して、新防具の公安が待たれるところであろう。
極真空手から派生した大道塾が創始したルール、それが「格闘空手ルール」である。フルコンタクトルールの実戦性を問い直すところからスタートし、同ルールが禁じている顔面パンチや組技攻撃を認めるところから始まっているため、非常に実戦性の高さを感じさせるルールである。 試合のスタイルはスーパーセーフのマスク、拳サポーター、ファールカップを着けて試合を行なう。試合は無差別と体力別が用意されているが、無差別に体格差が著しい時には、金的攻撃も許されている。 また現在は、さらに総合格闘技の影響を受け、時間こそ限定されているものの寝技における関節技の攻防、寝技での打撃戦も解禁されている。 一方、ルールに合わせ稽古体系も変化するため、現在の大道塾の稽古体系はいわゆる空手とは大きく異なることとなる。脇に引き手を取る突きや型などの伝統的な空手の稽古法は一切姿を消し、突きはワンツーから始まるといった具合に、空手というよりも現代格闘技の集大成といった印象がある。現在においてもルールは完全には固まっておらず、年々微調整をしているものの、実戦性の追求というコンセプトは今も変わらない。
グローブ空手
空手の、顔面パンチありのフルコンタクトを模索する中で生まれたルールが、この手にグローブを装着して戦うスタイルである。当初はフルコン系空手の道場が挑戦する形で行なわれたが、その後はルールの都合もあり、キックボクシングジムの練習生が主に参加し、空手衣を着たキックのアマチュア版といった趣があった。しかし、その後キックボクシングとの差をつけるためにルールや周辺の整備も進み、空手としてのグローブルールのあり方が見直されている。グローブルールの老舗・新空手道連盟では、実力に合わせてルールの選択ができるなど、初心者から上級者まで幅広く参加できるようになっている。また、最近ではフルコンタクト空手の元祖、極真会館からも選手が参加するなど、話題も多い。 躰道 躰道(たいどう)とは、玄制流空手の創始者でもある祝嶺正献が、空手の枠を越えて新たに創始した新武道である。玄制流も空手の中ではかなりアクロバチックな流派であるが、躰道はさらに3次元的な体軸の動きが研究され、旋・運・変・捻・転の5つの動きから構成される技の数々は、見る者を驚嘆させる凄まじさがある。また、単に武道技術に終わることなく、呼吸整体法などの健康法的な面も持ち合わせている。 テコンドー
テコンドーは、朝鮮の武道として誕生したが、空手とは親戚関係と言っていいほどに技術的共通点も多い。しかし、独自のルールと歴史を重ねることにより、独特の魅力を持つ武道として世界で親しまれている。テコンドーの特徴は、なんといってもその多彩な蹴り技にある。当初、空手の影響を受けて誕生したテコンドーであったが、その後、後ろ回し蹴りなどテコンドーから空手に逆輸入された技も少なくない。試合ルールは大きく分けて2通りに分かれ、WTF系は防具を装着してポイント制で戦い、ITF系はライトコンタクト・ポイント制で戦われる。なおITFはストレートのみ顔面パンチが認められ、普段はライトコンタクトで打ち合っているが、カウンターでのKOは許されている。 *本稿は、弊社出版物・フルコンタクトKARATE別冊・格闘王NO.18 『THE KARATEDO入門〜百花繚乱の空手界を整理整頓〜』(発行:福昌堂)より、抜粋したものです。
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